2009年8月4日火曜日

09 第15回

授業のふりかえりとまとめ

グループ作品の最終データ提出、個別のポートフォリオ提出、などが今日のミッション。

2009年7月28日火曜日

09 第14回

課題2:動くおもちゃのしくみ(その8)

作品のプレゼンテーション

さて、前々回からどれくらい進化したかな?

今回は高橋先生と横溝先生もご招待して、大人の目線からのコメントも色々といただきました。

2009年7月21日火曜日

09 第13回

課題2:動くおもちゃのしくみ(その7)

今日は制作日。授業時間内に一回はDIG作品をスクリーンに映す、というのが条件でした。

2009年7月14日火曜日

09 第12回

課題2:動くおもちゃのしくみ(その6)

作品プレゼンテーション(リハーサル)

予定として、今日が、インフォグラフィックス作品と、DIG作品のアップ期限、締め切りです。が、発表を見たところ、まだ期待しているゴールの60%くらいの到達度か。

見た目がきれい、だけでは許しませんよ

インフォグラフィックスについては、説明に必要な要素をすべて描ききっていないうちにレイアウトに入っている印象。制作者たちがことばや模型では説明できている内容が、表現として現れていない状態です。でも、説明できているということは、それを表現にちゃんと翻訳できる力をつければ、結果は自ずと現れるということです。がんばって。

DIGについては、映像表現についての考え方がまだちゃんと認識されていないようで、残念。普段、映像作品を全然見ていないのかなぁ。静止画をつないだ、ただの紙芝居になっているチームが多くて驚きました。せっかく、科学博物館も見に行ったのに。

2009年7月7日火曜日

09 第11回

課題2:動くおもちゃのしくみ(その4)

今日は制作日。特にFlashを使ったムービー制作を重点的に。

映像系のコンテンツを制作するにあたって、グラフィックスとの関係を確認しておきましょう。

グラフィックスと映像の違い

簡単に言えば、空間的か、時間的か、という点かな。

 グラフィックスでは表示要素は空間に静的(Static)に配置され、オーディエンスが自分の視線を努力して動かすことで内容を読み取っていきます。したがって誘目性および視線誘導が表現のカギとなります。つまりメッセージの受け手(以下オーディエンス)が意識的あるいは意図的に視線を動かしてもらえるような画面構成が必要ということです。
 表示要素はあらかじめすべて画面上に表示されていて、オーディエンスが全体と各要素の関係を感じながら、制作者の意図通りに自身の視線を動かして、各要素をたどって内容を読み取ってもらえば半分成功。そこからオーディエンスが制作者の意図を読み取ってくれれば80点。オーディエンス自身が楽しみながら自分で説明できるようになればほぼ100点。何度も見たくなる、他の人にも伝えたくなったら大成功120点。

 映像表現では表示要素は時間順に画面上に現れ、要素間の変化やつながり方の中に意味を生み出す表現です。オーディエンスは半ば強制的にその内容の展開を見せられることになります。よって、これら表示要素の現れる順番がカギとなります。
 表示要素は制作者によってあらかじめ仕込まれているので、オーディエンスはそれらが目の前にA→B→C→D→E→・・・と順に現れるのを受け身の状態で見せられることになります。視線を動かす努力の代わりに、出てくる要素間の関係の解釈に脳のパワーを使う、という努力が要求されます。この「→」の部分のデザインが、デザイナーの腕の見せ所。

ただし、これらはあくまで表現手法の構造の話であって、まず内容ありき、ということが大前提。いずれの表現にしても、A→B→C→D→Eなのか、E→D→C→B→Aなのか、はたまたC→B→D→A→Eなのか・・・。説明内容の構造がきちっとできていなければ、見た目だけ整っていても、それはただのゴミ。環境破壊、エネルギー浪費、時間の無駄、というコトになってしまいます。

結果的にどちらも編集テクニックがモノを言う表現、ということです。

できるだけ早い段階で完成品のイメージを持つこと

映像作品における設計図は「絵コンテ」です。授業ではあまり丁寧に絵コンテには触れませんでしたが、映像世代の皆さんですから、授業以前に知っていないとね。
それと、ラピッドプロトタイピング。絵コンテや模型を使って、本番の制作に入る前に、一度映像として仮組してみるプロセスも欠かせません。これは、ビデオコンテ、アニマティックス、プリビジュアライゼーション等と呼ばれて、映像制作の重要な行程です。

2009年6月30日火曜日

09 第10回

課題2:動くおもちゃのしくみ(その4)

今日はやはり雨。毎年この授業のプレゼンの日(というか原田の授業のプレゼンの日)は80%雨なんです。いわゆる「雨男」ということですか。「模型の準備、大変だな」と心配していましたが、どのチームもしっかり準備してきてくれました。

中間発表会:模型を利用してインフォグラフィックス作品をプレゼン

この授業では、「説明したこと(仕方)を記録に残す」ということを大切にしています。学生にはありがちなのですが、口で説明している内容と、表現された内容が一致しないことが多いからです。ことばでわかりやすく出来たなら、それを視覚的に表現できれば確実に分かりやすい作品に近づける。それがこの授業での表現活動の進め方です。
今回の中間発表も、各グループの模型を使った説明はとても分かりやすくなっていました。でも、それがインフォグラフィックス作品に反映されていない。おもちゃの形のトレースや、レイアウトの見た目だけの奇麗さに意識を奪われているようです。
先ず内容ありき。これが、最終作品に向けての課題ですね。
こま
クラッシュボール
ゴム動力飛行機
ラジオメータ
ポンポン船
ヘリコプター
ゆびはぶ
ジャンプポッド
ペットボトルロケット
パタパタ
ブンブンごま
模型を使ったプレゼンテーションは、きっとチーム内でも議論されて何度も説明しあったと思います。だから、(ことばの)表現もうまくなった。インフォグラフィックスも同じです。決め打ちで、レイアウトをつくり始めないで、まず模型で説明した通りに、各要素の説明を何度も図にしてみましょう。それを説明順の通りに並べてみて、はじめてレイアウトを考えることができるのです。
作品の質を上げるためのヒントとして、本日の講評で話したポイントをまとめておきます。
内容を概括するタイトルをつける
表現作品のネーミングです。おもちゃの名前がタイトルでは、しくみの科学的説明から遠過ぎます。しくみの説明に使われるキーワードをタイトルに積極的に盛り込みましょう。※タイトルは最期に付けてもかまいません。最初にタイトルで悩んでしまうと先に進めなくなりますよ。
紙面全体の印象が伝いたい内容の概括になっていること
今日発表された作品は、説明の中心的な部分が画面の端に追いやられていました。「科学的なしくみ」がテーマですから、「科学的なしくみ」が表現の中心になければなりません。

動的図解表現(DIG)への展開

作業内容も徐々にハードルが上がっていきますが、来週はFlashなどを用いて映像:動的図解表現(DIG)の制作も加わります。そしてあっという間に再来週、作品の最終プレゼンテーションです。映像表現の絵コンテが来週までの宿題です。

※提出作品の仕様
備忘録的にここに書いておきます。
・インフォグラフィックス作品:A3サイズ(縦、横は自由)最終的に、A4冊子として綴じられることをこころの片隅においておいてください。
・DIG作品:画面サイズ=縦横800pix×600pix フレームレート=3fps 15秒から30秒程度の長さを目安に、長くても1分以内。Flashや3DSMAXなどで制作。

2009年6月23日火曜日

09 第9回

課題2:動くおもちゃのしくみ(その3)

インフォグラフィックスの制作

今日はコンピュータ室での制作活動です。

二週間も空いてしまったので、みんな記憶喪失になっていたらどうしようかと心配しましたが、さすが・・・ちゃんとプロジェクト再開し、ホッとしました。
念のため確認しておきますが、今回の表現は「しくみの説明」がテーマです。単なる「オモチャの使い方」に留まってしまわないように、紙面全体の印象が「どんなしくみ?」という問いの答えに見えるような表現を期待しています。
さて、来週は中間発表。
模型とインフォグラフィックスの作品の関連をうまく発表して欲しいと思います。

2009年6月9日火曜日

09 第8回

課題2:動くおもちゃのしくみ(その2)

模型によるプレゼンテーション

例年、こういうプレゼンの日は雨が降るのですが、今回は薄曇り。原田はホッと胸をなでおろし、授業に向かったのであった・・・。

ということで、発表してもらいました。
今回のプレゼンテーションの目的は、作品の発表ではなくて、説明のシナリオを作る、という点にあります。つまり、模型を使って説明してみることで、何をどう伝えたいか、伝えるべきかを確認しようと言う訳です。よって、メンバーは発表者と発話の記録者、説明写真の撮影者という役割分担をして、プレゼンテーションに臨みました。






プレゼン中の姿を写真で撮ってみると、既にこの時点で、面白そうか解りにくそうかが見えているとも言えますね。
補足として、以下もポイントか。

・調べて発見したことは、他の人にも話したくなるもの。そういう気持ちが生まれるところまで深く掘り下げて調べてほしいものです。
・その説明が、チームメンバーの感想や推測にとどまらないよう、専門家のチェックを受けてほしい。

今日のぼやき
一応先週で個人作品は終わった訳だけれども、「さらにバージョンアップしたので見てください」という学生はいなかったなぁ。

2009年6月2日火曜日

09 第7回

課題2:動くおもちゃのしくみ(その1)

プロジェクがトスタート!
今回の課題は「動くおもちゃのしくみを科学的視点から説明する」です。

今回はチームでの活動で結果を出す!

前回の個別課題との違いは、大きく二点。
◎科学的視点から:専門家も納得の表現、博物館での展示を想定して
◎説明する:模型で、インフォグラフィックスで、DIGで。解りやすく、簡潔に、しかも魅力的に、かっこよく(かわいく)
想定するオーディエンスは一般の人々(中学生以上)。大人が納得、観て喜ぶ表現を目指してくださいね。

今日はオリエンテーションとテーマ設定、資料調査が主たるミッションでした。

個人作品ver.2.0

前回からの宿題は、個人作品のバージョンアップ、でした。今回も壁に貼って、全員で共有。

時間配分の都合上、横溝先生と原田でチェック、学生たちが企画会議をしている間に付箋を使ってアドバイスのコメントを貼っていきました。



こんな感じで、それぞれちょっとずつ進化していました。・・・が、原田としてはこれでは物足りない。


どこをどうして欲しかったか、わかりますか?
・各要素の向きには意味がある(前回、実験までして説明したよね。無意識に向きを決めてはいけない。メンタルモデル、マッピング)
・そろえるべき部分は徹底してそろえる(微妙に大きさが違う、というのが最も見る人を混乱させる)
・意味のまとまりは明示的にグループ化する(錯視などの視覚の現象性を活用せよ)
覚えていますか?
・要素の数は最善ですか?(分解写真的な表現、何コマ用意すれば最適な説明量になるでしょうか?)
・一番重要な部分が、一番目立つようになっていますか?(視線の誘導、配色。自己満足になってるんじゃない?)
無意識に並べてしまうのが一番ダメな表現です。

先週、人気があった作品はなぜかトーンダウン、前回から格段に質のあがった作品もあり、どうなっているのやら(汗)。
表現に「ここまで」という限度はないのです。まだやってよい、と言われたら(言われなくても)これでもかというくらい、手を動かしてほしいのだがなぁ。

教科書:入門Webデザイン

今日やっと、この授業で使う教科書を配布できました。

最近はデザインに関する書籍も色々あるので、それらにリンクするハブとして、またデザインの「ことば」を使えるようになるための入門書として活用してほしいと思っています。
また、マルチメディア検定もぜひ受検してみてくださいね。履歴書に書くネタが増えますヨ。
書籍・検定に関する詳細はこちら
CG-ARTS協会:http://www.cgarts.or.jp/

2009年5月26日火曜日

09 第6回

第1課題:動くおもちゃのしくみを説明するインフォグラフィクス(その3)

今日は第1課題のプレゼンテーションです。

表現を批判的に観る練習


まずは教室の壁に全作品を掲示し、展覧会形式で作品の鑑賞と表現の共有をおこないました。
30分ほどかけてじっくり眺めてもらい、最もベストと思われる作品に、記名した付箋を貼るという方法で一票を入れます。これは、他人の作品はある程度冷静に見ることができるので、そこから得られた視点を自分の作品の置き換えて見直してみることで、自分自身の問題意識としてとらえてもらおう、という思いがあっての活動です。自分の中の世界だけで考えて表現していても、進歩はありませんから。

私もひとつずつ作品をチェックしつつ、聞こえてくる学生たちの会話の中には、「結構良いところに気づいてるじゃん」と思えることばもありました。


投票数の多かった学生の作品は、投票した人たちが何を評価したか、作者がどういう意図で表現したかを、それぞれ発表してもらいました。

その後は、全員で作品一点ずつを順に観ながら、原田が解説やアドバイスを加える、というカタチで表現のポイントを共有しました。作品の一部を紹介します。

これらの作品は表現の視点が明確で、あと3歩くらい先を目指してくれれば、かなり良い作品になると思われます。

一方、全体の傾向として、下記のようなネガティブな特徴がありました。
・モノのカタチにとらわれてしまい、目的である「動き」の仕組みや特徴表現がおろそかになている。
・一番大事な説明ほど、文章による文字表現に頼っている。
・画面を表現要素で埋め尽くしてしまい、余白のコントロールができていない。
・各要素間の関係や順序がレイアウトとして表現しきれていない。
・表現全体の中での「線」の意味付けが曖昧。
ちょっと辛口でごめんなさい。




これらは、アイデアスケッチ段階で検討できる、検討すべきポイントです。今後はぜひ、意識してくださいね。
良かったところ?うーん、ソフト(Illustrator)はそこそこ使える、ってことが解ったことか。


作品へのコメントと、共有した「知識」をふまえ、作品をブラシュアップして次回再提出としました。一回作ってたまたまできたもので満足するのではなく、作ったところが始まり、というのを今年は徹底してやってみます。

次回予告


※今日の愚痴コーナー
どう数えても全員投票してない…。選べない?気を使う?良い作品がない?笑わせないでくれ!表現者である以上、常に社会からの批判にさらされているのです。逆に、本人も気づいていない魅力を見つけてあげることも必要。本気で勝負する覚悟がないなら、最初からデザイナーなどという職業を選ばない方がいいと思うよ。
…と、どうしてもちゃんとやれない子の方を意識してしまう自分が悲しい。でも基本は、ちゃんとやってがんばっている学生たちの味方ですよ、私は。

2009年5月19日火曜日

09 第5回

第1課題:動くおもちゃのしくみを説明するインフォグラフィクス(その2)


今日はコンピュータ演習室での制作活動です。最初に作品制作にあたって意識すべきポイントを確認して、個別の作業に入りました。

おいしい料理はおいしそうに盛りつけよう

内容の表現については前回しつこく説明した(つもり)なので、今日はレイアウトや作業効率についてのアドバイスをしました。

・レイアウトの基本は「余白のコントロール」と「要素を揃える」こと
・文字組のポイントは「書体」「ウェイト(太さ)」「サイズ」「行送り」
・目線のコントロールこそ視覚表現のカギ
これらは実際にやってみないと解りにくいことでもあるので、次回の作品プレゼンテーションでもう一度、共有したいと思っています。
面白い内容を用意しても、それが面白そうで、詳しく読み解いてみたくなるような見映えを持っていなければ、オーディエンスはわざわざ努力して内容を手に入れようとはしません。これを実践できればこの授業は合格ですな。

カタチに気を取られないで「動き」を追うのだ


表現初心者ほどグラフィックソフトの描画力に踊らされて、おもちゃのカタチをトレースすることに夢中になってしまいがちです。でも、対象のおもちゃをうまく描けば描くほど、その表現はそのおもちゃの制作者のものになってしまいます。著作権などについてはこの授業の最終回で触れようと思っていますが、意匠を写し取るのでなく、そのメカニズムや動きの本質を知識として視覚化することを要求しているのです。難しいでしょ。でも、それがこの課題のテーマです。知識は著作権フリーなんですよ。

繰り返しますがグラフィックソフトは「清書」のツールです


ちょっと愚痴になりますが、あれだけ言っても画面に向かっていきなり絵を書き出す人がいるのが残念です。
紙とペンを使って、頭の中のイメージをスケッチとして外在化する練習をしてください。
スケッチが描ける人は、そのクオリティを上げ効率よく作品化するために、ツールのポテンシャルを引き出してください。ただ綺麗に描けるというだけでは,私としてはモノ足りません。

次回はいよいよプレゼンテーション。期待してますよ。

2009年5月12日火曜日

09 第4回

第1課題:動くおもちゃのしくみを説明するインフォグラフィクス(その1)

動くおもちゃのしくみを説明するインフォグラフィックスを制作する(個人制作)ことが、今回から3週にわたって実施するプロジェクトのミッションです。
条件は次の通り。
・A3用紙(縦横は作品の意図に合うものを選択、斜めは禁止)
・科学博物館に、作品のみ展示されることを想定(おもちゃの現物なしに解る表現)
・おもちゃそのものの説明は写真を用いて可。
 ただしあくまで脇役、写真に依存した作品にしないこと
・作品のタイトルを入れる(作品の見かたを規定する重要な要素です)
・作者の氏名はクレジットとして画面の中に、小さく、上品に入れること。

他の人の仕事をしっかり見よう

授業に臨む心構えについてあえて一言。

出来上がった作品だけ見て、「ふん、こんなものか」と解った気になってはいけません。ヒントはプロセスの中にある。他の人がどんな風にやっているのか興味が無いとしたら、クリエイター失格です。ある程度のレベルまでいけば、「他の人の影響を受けたくない」なんていうかっこいいセリフも通用しますが、まだピヨピヨの初心者レベルでは、自分の視野を狭めるだけです。「盗む」「かぶせる」…教室レベルでは、どんどんやってください。クラス全体が一つのプロジェクトであって、小さな小競り合いのせいで自己満足的でつまらないものしかできないよりも、全員で協力しあって全体のレベルを上げたいと私は思っています。

観察の視点

モチーフであるおもちゃの「見栄え」だけにとらわれてはいけません。「動き」という変化を伴う現象がテーマなのですから、様々な視点を想定して、対象を捉える必要があります。
対象と説明の関係を考えるヒントをいくつかあげておきます。

・最初の問い:これは何ですか?
ラフスケッチと現物のおもちゃを並べて、眺めてみてください。その説明は、おもちゃの動きの特徴を端的に表していますか?
皆さんが持ち寄ったおもちゃを眺めてみると、大きく2種類に分けられます。それは、パッと見でそれがどんなものか解るものと、解らないもの。
パッと見で解るのは、水鉄砲やチョロQ、コマなど。これらはいちいち細かく動きを説明しなくても、絵を見ればどんなモノか解ります。だから表現はその続きから始められます。その原理や面白さを表現して欲しい。
パッと見で解らないものは、まずそれが何かを説明しなければなりません。丸い球体だけど何これ?ボール?コマ?たまご?本人はじっくり観察しているから、「何も言わなくても解るでしょ?」と言いたくなるでしょうが、他の人には何のことやらさっぱり・・・という展開に陥りがちです。要注意!!

・ふたつ目の問い:どこが面白いの?
人は「自分が解りきっている」と思っている事柄には反応しません。また、存在に気づいていないものは全く見えません。表現の入り口で、「こんなの知ってる?」という投げかけが必要だと言うこと。あなたがそれを見つけない限り、作品は成立しません。
具体的な切り口として、「視点」というキーワードを投げかけておきます。

0:おもちゃの動きを説明するためには、まず「そのおもちゃは何」なのかが解らなければなりません(当たり前!?)
+1:おもちゃが動くためには、何らかの操作「インタラクション」が必要です。
+2:つまり、そのおもちゃを動かす人「ユーザ」の存在なしには語れません。
-1:おもちゃは動くための「システム(部品や動くための場所)」を持っています。
-2:おもちゃが動くための「科学的知識」が、これらを支えています。
これら-2〜+2までを行き来しながら、説明してみましょう。

・図にも言語的なルールがある
動きを説明する「図」表現にはいくつかのパターンがあります。

あなたが日常の中で目にしている説明の手法を思い起こしてください。
変化をコマ割りにして並べる方法、多重露光のように変化を重ねて示す方法、始まりから順に要素を書き足していく方法・・・。それを今回の課題作品に応用しましょう。

サービスのし過ぎかも

ヒントを出しすぎると、いまどきの学生はそれしかやらない(は言い過ぎかな)というのが悩みです。が、今年度は「私自身もすべて出し切る」という方針なので、学生からはうるさいジジイだ、と思われてもしつこくやらせていきたいと思って授業に臨んでいます。

今日のゴールは、作品の下書きまでたどりつく、ということで途中に少しづつステップアップのヒントを入れて進めてみました。
次回はコンピュータ室で、清書の作業に入ります。
一人でも多く、面白い作品表現にたどり着きますように・・・。